「早大ブランド」の輝きを再び 2年目日本ハム有原の光る安定感

球界に脈々と継がれる名門の系譜、近年は苦戦の傾向も

 一人の投手が今、野球界の「早稲田ブランド」の価値を取り戻そうとしている。

 日本ハム・有原航平。入団2年目を迎えた今年、すでに6勝を挙げ、15日のDeNA戦では5安打で今季初完封を飾った。防御率は2点台を切り、リーグ2位の1.96。その安定感はチームメートの大谷翔平を凌ぐものがあり、「日本ハムのエースは有原」と推すファンも少なくない。

 パ・リーグを代表する投手の一人に成長した23歳の出身校は、いわずと知れた早稲田大学だ。岡田彰布、中村勝広、小宮山悟、仁志敏久ら、輝かしい実績を残した名選手をはじめ、現役に目を移しても、和田毅、青木宣親、鳥谷敬ら、球界を代表する選手を輩出している。

 有原も名門の系譜を受け継ぐ選手になりつつあるが、しかし、近年の早大出身者は大学時代の実績と比べて苦戦する印象が続いていた。

 大石達也(西武)、斎藤佑樹(日本ハム)、福井優也(広島)がその筆頭だろう。3人は史上初の同一大学からドラフト1位指名で入団し、しかも大石は6球団、斎藤は4球団が競合。だが、いずれも即戦力投手という球団、ファンの思いとは裏腹に、昨年までの5シーズンで大石は1勝、斎藤は14勝、福井は23勝と今ひとつ期待に応え切れていない。

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