打てば雰囲気一変、早くも高校通算51号の早実・清宮幸太郎に死角なし!?
成長見せる清宮、今年も早稲田実業は優勝戦線に浮上?
とどめは1年生4番・野村大樹。甘く入ったストレートを逃さず、レフトスタンド上段へ打ち込む3ラン。これが野村にとって公式戦第1号となった。練習試合からライナー性でレフトへ、また右中間へ鋭い打球を飛ばすなど、1年生とは思えない打撃を見せていた野村だが、角度よく上がったときの打球は圧巻だった。
そして5回表、背番号1の吉村優(3年)が常時128キロ~130キロの直球で啓明学園をぴしゃりと抑え、5回コールド勝ちで早稲田実業が勝利を決めた。今年はオフェンス型のチームで、不安な投手力を打撃で補うという戦い方には変わりない。早稲田実業はドツボにはまるとその後、なかなか打てないという展開が春季大会まであったが、練習試合を見ていても、清宮の後を打つ選手が打ったりして、最低限の形で得点を重ねるようになり、打線の隙は少しずつなくなっている。
それにしても清宮が打つと一気に雰囲気を変わる。清宮そのものは怖いが、清宮が打ってからの波及効果が非常に怖いと他校は感じるのではないだろうか。
まだ慣れていなかった1年夏と比べるとどことなく余裕を感じる清宮。この一打でもっと調子を上げてくるだろうし、仮に勝負を避けたとしても野村、工藤も脅威。今年も早稲田実業は優勝戦線に浮上すると確信させるゲームだった。
敗れた啓明学園だが、1年生で活躍している選手が多い。監督は元プロの芦沢真矢氏。身の丈に合った野球スタイルは、今後も伸びていく予感をさせたチームだった。今後も強豪校に一泡吹かせる野球ができるようになってもらいたい。
(記事提供:高校野球ドットコム)
http://www.hb-nippon.com/tokyo/report/1566-hb-tokyo-game2016/14874-summergame
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高校野球ドットコム編集部●文