筒香、今永、救援陣…休ませながら能力引き出すラミレス流マネジメント術

避けたい昨季の二の舞、「ラミ流マネジメント術」は花開くか

 戦力として計算していないから、というわけではない。むしろ「後半戦で大きな助けになってくれる」と期待するからこそ、精神的、肉体的にダメージが取り戻せなくなる前に、指揮官は早い段階で2軍行きを命じた。

 復帰戦となった24日の巨人戦は4回に相手打線にうまく打たれたこともあり1イニング6失点と崩れたが、序盤の3イニングは最速146キロをマーク。直球のキレは明らかに休養前に近いものがあった。本人も「納得のいくボールをいくら投げても、コース、高さを両方間違えてしまっては打たれることがわかりました」と話した通り、課題は制球面。今後への期待を感じさせる内容だった。

 選手の体の負担を最優先し、休ませながら能力を最大限引き出すマネジメント術。タクトを振るう指揮官の脳裏には、昨年のチームの苦い経験があるのだろう。

 前半戦首位ターンを果たしながら夏場に息切れしたチームは、まさかの大失速。最終的に最下位に転落した。去年の二の舞いを防ぐべく、用兵でも配慮を尽くす。現在、最も多くマウンドに上がっている田中の登板数は38。これはチーム毎の最多登板数としては12球団で最少だ。特定の選手に負担を偏らせないスタイルは、チーム全体に浸透している。

 チームは26日からCS進出を争う中日、そして首位を独走する広島とのビジター6連戦。その先には勝負の8月がやってくる。筒香や今永は、その中核となる選手だろう。「ラミ流マネジメント術」が花開くか、注目の戦いとなりそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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