重量打線・西武の中で光る俊足、CS出場のカギを握る男・金子侑司
『華麗奔放』を封印した今季、泥臭く粘り強いプレーで存在アピール
期待を集めるからには、当然、その理由がある。今季はキャンプインから「監督や首脳陣に『金子、変わったな』と言ってもらえるシーズン」をテーマに取り組んできた。グラブに刺繍されている座右の銘『華麗奔放』が象徴していた、昨季までの華やかなプレースタイルを一時封印。一変して、泥臭く、粘り強い存在を目指した。実は、その変化に昨年秋季キャンプから気付いていたのが、田邊徳雄監督だった。
昨シーズン中までは見られなかった、バットを短く持って振り込む姿に「ようやく、自分が何を求められているのかが理解できてきた」と評価。今年の春季キャンプでもその姿勢を貫く大卒4年目選手に「変わりたい」と願う“本気”を感じたという。
1軍昇格後すぐに先発起用すると、背番号2は期待に応え、徐々に打撃、走塁で持ち味を発揮。そして5月、「今は外せない」と指揮官は太鼓判を押した。両リーグ通じて最多の14失策と守備に大きな課題を抱えているが、遊撃、右翼、三塁と、何とかポジションを空けてでも起用し続ける様子を見ても、今いかに金子がチームにとって必要とされる存在なのかが分かるだろう。