【都市対抗野球】悲願初Vトヨタ自動車、エース兼主将の佐竹が涙で感謝伝える
「今まで野球部を作ってきてくれた先輩の思いも背負って」
都市対抗野球の決勝戦が26日、東京ドームで行われ、トヨタ自動車(豊田市)が4-0で日立製作所(日立市)を破り、悲願の初優勝。優勝の立役者になったのは32歳のエースで主将の佐竹功年投手(土庄ー早稲田大)だった。決勝でも8安打されながら、11奪三振完封勝利。123球の力投。3試合に投げ、2完封。もう1試合は1失点完投勝利とこの大会では見事な投球内容だった。
ヒーローインタビューに立つと、こみ上げる涙を抑えることはできなかった。佐竹の言葉は終始、一塁側を埋めた多くの社員、ファン、地元の人々への感謝だった。「平日にも関わらず、たくさんの方に応援していただきまして、ありがとうざいました。日本一の応援のもとで優勝できて本当に幸せです。社長をはじめ、トヨタ自動車の社員の方、豊田市民のファンの皆さま、野球部を支えてくれてきた方々に感謝したいと思います」とマイクを通し、大きな声を張り上げて気持ちを伝えた。場内から大きな拍手が巻き起こった。
社会人チームの強豪ながら、これまで優勝はなかった。「今まで野球部を作ってきてくれた先輩の思いも背負って投げました」、「夏に弱い、トヨタは力があるけど勝てない、と言われて悔しい思いしてきました」。多くのプロ選手を輩出しながらも都市対抗の覇権とは無縁だった。プレッシャーを感じながら戦い続けてきた心境を吐露した。
社会人野球は、親会社の経営難などで廃部するチームが近年増えている現状。だが、この日は対戦相手の日立製作所の応援席も3階席、外野席まで満員になった。多くの人間の支えがあったからこそ、優勝戦を戦えたことを選手たちは声援から実感した。そういう感謝の思いも佐竹の背中を後押しし、涙につながった。
これからはトヨタ自動車を倒すことを目標にしてくるチームが増える。王者としての日々が始まるが「常勝トヨタを作って、来年もまたこのインタビューを受けられるように頑張ります」と力強く来年の優勝も目指すと決意表明していた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count