イチロー偉業へ「3」 マルチならず、大飛球は柵越え寸前も淡々「それは残念」
本拠地10連戦の5試合目で初ヒットも淡々「はい、知ってます」
それでも、イチローは結果を見届けると表情をまったく変えず、ダグアウトへと走って戻っていった。試合後、かつての本拠地ヤンキースタジアムならばスタンド中段へ飛び込むホームランだったと聞かれても、「うん。あ、そうですか。それは残念でした」と淡々。ボアジャスには敵地で行われた試合でも右中間への大飛球をもぎ取られていたが、悔しそうな素振りは見せなかった。
その後は2打席凡退も、1点リードの8回先頭で迎えた第4打席、中継ぎ右腕ベイリーのカーブを運び、鮮やかなライナーで左前打とした。メジャー通算2997安打で塁に出ると、すかさず二盗に成功。今季9盗塁目でメジャーデビューからの16年連続2桁盗塁に王手をかけ、スタントンのタイムリーで生還した。チームにとっても貴重な追加点。本拠地に戻ってから5試合目で初のヒットとなったことについては「はい、知ってます」と、こちらも淡々と話した。
イチローのヒットからようやく火がついた打線は、この回4点を奪取。さらに、2死満塁でイチローにこのイニング2度目の打席が回ると、場内は熱狂的な「イチローコール」に包まれた。だが、結果は左邪飛で3アウト。それでも、5-0で勝利したマーリンズの連敗脱出に大きく貢献したことは間違いない。
ヒット1本を損して、マルチ安打はならず。それでも、偉業へ突き進むイチローが打席に立つだけで、マーリンズ・パークは連日大歓声に包まれている。いよいよあと3本。歴史的瞬間が迫ってきた。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count