【高校野球】文武両道を高レベルで実践 各地区トップ級の進学校を紹介【東日本編】
全国にある野球が強い主な進学校をピックアップ
現在、全国各地では甲子園出場校が続々と決定している。今夏は、高校野球界を牽引する大阪桐蔭、智辯和歌山、広陵、浦和学院、東海大相模などが、相次いで予選で敗れる波乱が起こった。強豪校の動向が気になるのは当然のことだが、今、密かに注目を集めているのが、文武両道を実現している“進学校野球部”だ。今回は、甲子園でも常連校として活躍する学校や、甲子園出場に近い学校のうち、有数の進学校をピックアップ。主な文武両道校を紹介したい。まずは、東日本編からお届けする。
【開成高等学校】
東京都で、名実共に進学実績や偏差値においてトップに立つ進学校。東京大学進学者は、毎年全国でも上位に入り、秀才たちが集まる学校として知られる。学校生活は勉強漬けの毎日かと思えるが、そうでもない。勉強以外の学校行事も盛んで、生徒もひたむきに取り組んでいることが特徴だ。これだけ偏差値も高いと受験勉強の毎日で、野球はどうなのか、と思う方もいるだろうが、意外にもしっかり結果を残している。
2005年には東東京大会ベスト16進出、2007年と2012年には4回戦まで勝ち進んだ。全員集まっての練習時間は少なく、スキルアップの大半は自主練習として任されている部分が多い。だが、そこでしっかりと自分の課題に取り組むことができ、試合に生かせるのが、開成野球部だ。
▼主な進学実績(2015年度卒業生) 東京大学:184人(120)、早稲田大学:28人(15)、慶應義塾大学:42人(19)
【東京都立日比谷高等学校】
東京都上位に入る高偏差値の進学校。校舎は千代田区永田町と、都会のど真ん中にある。2007年(平成19年)度にはスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定され、国際舞台でも活躍できる科学者の育成に向けて組まれたカリキュラムに、日々生徒たちは励んでいる。また、同じく2007年に進学指導重点校の再指定を東京都から受けており、都立ナンバーワン進学校としての地位を確かなものにした。
野球部は戦前から戦後にかけ都大会でも準優勝するなどの実力を発揮。近年も、2009年と2010年は4回戦進出。強豪が数多く存在する東京都でも健闘を続けている。田河清司監督(現・都立紅葉川)、平岩了監督(現・都立城東)など、東京都でも指折りの指導力がある指揮官が率いていたこともあり、都立の伝統校として一目置かれていることは間違いない。最近のOBでは、慶應義塾大学野球部に進んだ守口知幸投手が有名で、クレバーな投球を武器に、当時の六大学の有力打者たちを苦しめた。
▼主な進学実績(2015年度卒業生) 東京大学:37人(19)、慶應義塾大学:131人(86)、早稲田大学:155人(98)