“守備の人”がバットで救った日本の窮地 U15侍は5連勝で予選突破
“壁当て”で鍛えた堅実な守備「流れに乗って優勝を目指したい」
166センチ、56キロの体格は、180センチ、170センチ台の大柄な選手が居並ぶ侍ジャパンU15では、小柄だ。そのため、自信を持っているのは守備。「仕事から帰ってくると壁当てをやっていました」と父・一智さん。小さい頃から「壁当て」で鍛えた堅実な守備は、チームに安心感を与えている。母・幸子さんによれば性格は「ポジティブ。前向きです」。両親が願いを込めて「夢人」と名付けた少年の気質が、窮地に追い込まれそうだった日本を救った。
日本は5戦全勝で予選リーグを1位で突破。田口が「チームの雰囲気はすごくいい。みんなで声を出せるようになってきたので、もっと上を目指せると思う」と言うように、日本は日に日にチームとしての一体感を強めている。貴重な一打を放った“守備の人”はスーパーラウンドを見据え、「ヒットを打てたので次の試合も自信を持って挑めると思う。チームがまとまって全勝できているので、この流れに乗って優勝を目指していきたい」と力強く言い切った。いぶし銀の活躍が日本を支えている。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi