渡米した同期から届いた1通のメール ロッテ益田を突き動かす思いとは

中後から届いた1通のメールに返した写真

 ある日、中後からメールがきた。

「楽しいし勉強になることも多いけど、やっぱり日本に帰りたくなることはある」

 益田はすぐにメールを返した。

「もしかしてホームシック? 頑張れよ!」

 そして1枚の写真を添付した。ロッテ浦和寮の休日前夜。鈴木の部屋で藤岡、中後と益田の4人で夜、ピザを食べながら楽しく話をしている写真。ルーキーイヤーの夢を語り合っていた時の写真だった。「懐かしいな!」とすぐに返事が来た。

 4人の同期はチームが違っても、遠く海を越えて離れていても、心は繋がっている。今、お互いそれぞれが自分の与えられた職場で全力を尽くしている。あの頃の変わらぬ初心を忘れずに生きている。「アイツはアメリカという慣れない異国の地で頑張っている。オレも負けられない」。負けん気はこんなところでもしっかりと燃えたぎる。頼もしい限りのプロ根性だ。

 さあ、いよいよシーズンも佳境に入った。厳しい場面でのスクランブル登板も増える。何よりも益田は出番がない時でもブルペンで肩を作り、いつ呼ばれてもいいように備えている。相手チームが喜ぶ姿など絶対に見たくない。負けじ魂のこもったボールはそう簡単には打ち返すことができない。チームの窮地の時に、背番号「52」がいる。ピンチから救い出す頼もしい存在がマリーンズにミラクルを起こす。

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

【了】

マリーンズ球団広報 梶原紀章●文 text by Noriaki Kajiwara

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