「MLB CUP」初代王者は武蔵府中リーグ 全国約150チームの頂点に!
元大リーガーのクロマティ氏と高橋尚成氏もイベントに参加
開催地となった宮城県石巻市は、東日本大震災で甚大な被害を受けた。5年の月日が経ち、復興は着実に進んでいるが、メイン会場となった石巻総合運動公園の近くに建つ仮設住宅には、今でも数多くの人々が住んでいる。この石巻で「MLB CUP」全国大会を開催したことは、被災地に元気をもたらすだけではなく、経済面でも復興の一助になったようだ。
大会開催期間中には、メイン会場となった石巻総合運動公園でさまざまなイベントが開催された。大会に出場した子供たちは、クロマティ氏や高橋尚成氏による野球教室にも積極的に参加。引率のコーチや応援に駆けつけた父兄たちも、現役時代を知るクロマティ氏や高橋氏によるトークショーに熱心に耳を傾けた。
7歳から野球を始めたというクロマティ氏は「多くの子供たちが野球を楽しむ姿を見られて本当にうれしいです。これかも楽しむ気持ちを忘れずにプレーして下さい」と子供たちにエール。コーチや監督へのアドバイスを求められた高橋氏は「子供たちに野球の楽しさを忘れさせないためにも、teaching(教える)ではなくてcoaching(指導)を心掛けて下さい。教え込む、たたき込む野球は辞めましょう。野球を楽しめれば、自然と上手くなります」と伝え、保護者から多くの共感を呼んでいた。
今大会が新設されたキーワードも「野球を楽しむこと」にある。大会に参加する対象学年が小学4~5年生に設定されている理由について、MLBジャパンのスモール代表は「子供たちは6年生になるまで、なかなか試合に出られない現状があった。野球をするからには試合に出なければ楽しくない。野球の楽しさ、試合に出る喜びを忘れないためにも、この大会は4~5年生を対象にしました」と明かした。
真剣勝負を楽しみ、イベントで元メジャーリーガーと触れあい、充実した2日間を送った子供たち。これまで以上に野球への愛情を深め、野球の面白さを感じた週末になったようだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count