「チーム一丸」象徴する2選手の活躍 広島躍進の裏に“伏兵”たちの存在

「藤浪のクイックがかなり遅かった」

 7回の逆転機には、赤松が代走として持ち味を発揮した。

 1点差としてなおも無死一、三塁の場面で、一塁走者として代走に起用され、初球に二盗を決めた。直後に相手の失策で、二塁から一気に生還し、逆転のホームを踏んだ。赤松は、「藤浪のクイックがかなり遅かったし、無警戒だったので走った。その後がアレですから、何があるかわからないですね」と笑顔を見せた。

 今季は67試合に出場している赤松だが、全て代走か守備固めでスタメンはない。それでも10盗塁を記録し、少ない打席でもサヨナラ安打を放つなど、打率.389を記録しており、チームに欠かせない戦力となっている。

「チーム一丸」を連呼する緒方監督の野球を象徴する渋い脇役が、今の広島には数多くいる。

【了】

大久保泰伸●文 text by Yasunobu Okubo

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