雨のち涙の引退試合 Aロッド、最後も華々しく
空席が目立っていたヤンキースタジアムが満員に、見せつけたスター性
試合後の記者会見では2人の娘を引き連れ、冗談を交えながら笑顔で番記者たちの質問に答えた。晴れやかな笑顔で思い残すことなくユニホームを脱いだレジェンドに対し、早くも米メディアでは他球団での現役復帰の可能性が報じられている。記者からこれが現役最後の試合だと心に決めているのかと聞かれると、「生涯記憶に残る試合。これ以上求めるのは難しい」と言い残し、球場を去った。
ヤンキースは近年、デレク・ジーター、マリアーノ・リベラ、ホルヘ・ポサダ、アンディ・ペティットらチームを支えた黄金期のメンバーが続々とユニホームを脱ぎ、A・ロッドは最後のスターとも言える存在だった。この日は今季空席が目立っていたヤンキースタジアムに満員の観衆が詰めかけ、久しぶりにプレーオフのような熱気が戻った。
自らの引退試合で改めて華々しいスター性を見せ付けたメジャーリーグ史上4人目の通算700号が間近のスラッガーに、他球団からオファーが届いても不思議はなさそうだ。マーリンズなどの球団が候補に挙がっている。
試合前の雷雨は今後、再び訪れる暗雲を予感していたのか、それとも最後のスターを見送る涙雨か。ジラルディ監督は「引退を決めた選手の誰もがまだできると思うもの。彼が復帰を決めたとしても驚かない」。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count