“レジェンド”山本昌氏、初勝利遠い中日ドラ1小笠原は「まだ物の数じゃない」

小笠原が持つ確かな素質、「そのレベルに放り込まれて、ある程度のことは出来る」

 まだまだ、この先どうなっていくかは分からない。評価をするにも早い段階と言える。ただ、小笠原はプロで好投手になる素質は確かに持っている。山本氏は続ける。

「そのレベルに入っちゃうと、そのレベルになっちゃう子っているんですよ。そのレベルに放り込んだから、そのレベルを感じ取って、うまくなっていく子はいる。それを感じられるというのも必要。それを感じられない選手は、いつまでたっても感じられないから。ドラフト1位でもそういう選手はいる。入ってきた時はうまいんだけど、そのレベルの中で1人で溺れてるような感じ。

 でも、ドラフト5位でも(プロに)入ってきて、そのレベルを見てどんどん上手くなっていく選手もいる。もちろんドラフト1位の方が活躍する確率は高いけど、でも、ドラフト下位でも、育成でも別にゼロではない。そのレベルに放り込まれた時にどうなのか。だから、小笠原はそのレベルに放り込まれて、ある程度のことは出来るということなので、将来期待できると思います」

 厳しいプロの世界で生き残っていく能力を確かにある。エース級の投手になる素質もある。ただ、評価をするのは、しっかりと経験を積んでから。愛情あふれる山本昌氏の“ゲキ”は届くか。18歳のキャリアはスタートしたばかりだ。

◇山本昌(やまもと・まさ)
1965年8月11日、東京・大田区生まれ。51歳。本名・山本昌広(やまもと・まさひろ)。84年のドラフト5位で中日に入団し、32年間現役としてプレー。93年(17勝)、94年(19勝)、97年(18勝)と3度の最多勝に輝き、93年は最優秀防御率(2.05)、97年は最多奪三振(159)のタイトルも獲得した。94年は19勝8敗、防御率3.49で沢村賞。2006年9月16日の阪神戦(ナゴヤドーム)で史上73人目のノーヒットノーランを達成。08年8月4日の巨人戦(ナゴヤドーム)では史上24人目の通算200勝に到達した。2014年9月5日の阪神戦で49歳25日で白星を挙げ、NPB最年長記録を更新。2015年10月7日の広島戦では、NPB史上初の50歳出場・登板(50歳1か月26日)を果たした。通算581試合登板、219勝165敗、2310奪三振、防御率3.45。186センチ、87キロ。左投左打。公式サイトは「山本昌オフィシャル・ウェブサイト」(https://yamamotomasa.com)。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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