逆転Vへ鍵握るハム大谷翔平の起用法 投手復帰で考えられる「ウルトラC」は

日本ハムにとって悩ましい大谷の起用法

 昨年の大谷は、低めの落ちるボールに脆さを見せることが多かった。追い込まれてから落ちるボールで空振り三振、もしくは引っ掛けて内野ゴロという場面が目立ったが、今季は低めのボールをスタンドまで運ぶ場面も目立つ。明らかに“進化”していると言えるだろう。野口氏は続ける。

「その(落ちるボールへの)対策で重心を下げた、ということもあるかもしれないですね。ずいぶん低く構えてるな、という感じがします。もちろん、重心を下げれば、低めのボールに自分から少し近づくことになるので、見極めもしやすくなります。だからといって、あれよりも下げてしまうと打った時に力は伝わりづらくなるでしょうし、色々と考えているでしょうね。大谷の打撃が出来上がってしまったら、本当に恐ろしいです。本人もまだまだ完成形ではないと思っているだろうし、そう思っていてほしいですよね」

 これだけの打者だけに、日本ハムとしては打線から外しづらい。一方で、163キロを投げる日本球界ナンバー1投手でもある。右手中指のマメで離脱したが、すでに患部は問題ないとされており、本人も「もうマウンドに戻れる状態です。『いけ』と言われたところでいけるようにするだけです」と話している。

 ただ、悩ましいのは、大谷が先発ローテーションに復帰した場合、打者としての起用に制限が出ること。登板2日前から投手としての調整に入るため、打線から外さなくてはいけない。先発登板時は“リアル二刀流”で中軸に入るとしても、週に2試合は打者・大谷を欠くことになる。日本ハムとしは当然、痛い。どうするべきなのか。

 野口氏は「もう(投手として)行けるのなら、投げたほうがいいと思います。絶対に投げたほうがいい。あれだけのピッチャーですからね」と断言する。そのための「ウルトラC」として挙げたのは、日ハムの栗山監督も示唆しているリリーフ起用だ。

「3番・DHで出て、最終回に投げる。ただ、日本ハムは今、クローザーのマーティンが安定しているので、その前のセットアッパーでもいいですよね。それで、最終回は外野に行く。投げ終わった後なら(外野守備につくのは)大丈夫ではないでしょうか。1イニング守った後にアイシングしたって、大きな影響はありません。どうせ、彼が全力で1イニングを投げたら12、3球で終わりますからね」

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