逆転Vへ鍵握るハム大谷翔平の起用法 投手復帰で考えられる「ウルトラC」は

DH先発からのリリーフ登板は「チーム事情を考えたら、あり」

 野手として先発出場して、セットアッパーとしてマウンドに上がる。これこそが、大谷の二刀流を生かす最大の策となるのか。1995年5月9日のオリックス戦で、DHで先発していた当時西武のオレステス・デストラーデが、大差がついてからマウンドに上がったという前例があることは、すでに日本のメディアでも報じられた。実現の可能性は決して低くない。

「それが許されるなら、やるべきでしょうね。抑えだった増井が先発に回って、安定した投球を続けています。加藤や高梨も先発で頑張っています。だから、大谷はセットアッパーでもクローザーでもいいのではないかと。『大谷クローザー』を私は以前から推してきましたが、そろそろやってくれないかなと思います。指名打者の大谷がピッチャーに入るなら、ピッチャーを下げればいいだけの話ですからね。

 今の日本ハムのチーム事情を考えたら、ありですよね。むしろ見たい。ブルペンがベンチのすぐ裏にある球場ならできますよ。札幌ドームならすぐ裏にブルペンがあるから可能です。特にDHならば、打順が回ってこないところで投げて肩を作っておけます。あれだけのピッチャーですから、先発だろうが、中継ぎだろうが、抑えだろうが、投げたほうがいい」

 もちろん、まずは大谷のコンディションに最も気を遣わなければいけないだろう。実現すれば、チームのためとはいえ、まさにフル回転となる。故障してしまっては元も子もない。ただ、それだけのことを期待してしまうほど、大谷が投打両方で圧倒的な力を示してきたとも言える。打撃でこれだけの成績を残しているだけに、来季以降、日本ハムがどのような形で起用していくかにも注目が集まるところだが、野口氏は二刀流を貫くべきだと主張する。

「一昨年、栗山監督に話を聞いた時は、『自分で決めさせる』と言っていたので、大谷本人が『両方やる』と言ったら、いつまでも両方やるということでしょうね。160キロも捨てがたいし、あのバッティングも捨てがたい。今回のマメで投げられないというのは二刀流とは関係ないですし、体が続く限り二刀流で頑張ってほしいですね」

 毎年、違う姿を見せて、日本球界の歴史に新たな1ページを刻んでいく大谷。今季は「1番・投手」で先発し、初球先頭打者ホームランという漫画でも描かれないような離れ業をやってのけた。逆転優勝を目指す残りの1か月で、またしても仰天の場面が訪れるのだろうか。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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