「おかわり」に憧れる「おかわり二世」 3年目台頭の裏に“違い”の発見

歩みの遅さを自覚する山川、「いつか、中村さんの打ち方ができれば」

「2軍に落ちてきた時、自ら守備や走塁の個別練習を願い出てきたことも多々あった。それは、今までのあいつにはなかった部分。ただ打つだけの選手では使ってもらえないことを思い知ったと思う。でも、その代わり、そうした失敗を確実に自分の引き出しにすることができているのも、すごいこと」

 歩みの遅さは、誰よりも山川自身が十分承知だ。

「僕は、どっちかといったら、昔から遠回りをするタイプ。上手くいかなくて、やらかして、『うわー、やべー』と思って、何とかする、みたいな感じで高校からずっとやってきました。今もまた、少しだけですが、結果が出てきたら、インサイドを攻められるようになってきて、また痛い目を見ています。

 まだまだ、これからも、いろいろ失敗をすると思いますし、痛い目をみることはたくさんあると思いますが、1つ1つを乗り越えることができれば、 “一流”と言われる選手たちと対等に立てると思います。今はまだ、難しすぎて出来ないですが、いつか、中村さんの打ち方ができればいい。『ホームランの打ち損じがホームラン』と言っている、憧れの人。そんな選手に、これからなっていきたいです」

 1軍に定着し始め、目指す人と過ごす時間も確実に増えた。見て、聞いて、感じて、実践して、血肉にする。名実ともに『おかわり二世』の称号を射止めるべく、努力の日々は続いていく。

【了】

上岡真里江●文 text by Marie Kamioka

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