「おかわり」に憧れる「おかわり二世」 3年目台頭の裏に“違い”の発見

今季の収穫となった3年目・山川穂高の台頭、その成長の要因とは

 123試合を戦い終えた9月2日、最大の目標だった優勝の可能性が消滅した。8月は6カード連続勝ち越しなど、上昇気配が見えた西武だったが、53勝3分67敗、借金14でV逸決定。4月下旬からは、常にBクラスに沈んでおり、現在も5位と、引き続き苦悩のシーズンの真っ只中だ。

 しかし、どのような苦境でも、『収穫』は必ずあるものだ。今季の西武は、3年目・山川穂高の台頭が、その1つと言えよう。

 チームメイトであり、今なお憧れて止まない、日本球界屈指の本塁打キング・中村剛也と身長、体重ともほぼ同じ。研究熱心な性格と、特技ともいえる“模倣力”で、打撃フォームも一見、完全コピーしたと見えるほど酷似していることから、入団時から「おかわり君(中村の愛称)二世」と評されてきた。

 富士大時代には1年春から4番を務め、日本代表にも選出されてきた逸材。首脳陣も1年目からの活躍に大きな期待を寄せていた。そのルーキーイヤーの2014年、2軍戦では打率.321、本塁打21本でホームラン王を獲得しながらも、1軍では14試合で打率.100、本塁打2本に終わった。得意の模倣のコツにも通ずるが、元々、「僕は、一度じっくりと自分の目で見て、自分でやってみて、自分なりの感覚を掴んでから、成果を出すタイプ。結果がでるまでに時間がかかってしまうんです」と話しており、実際、2軍戦で本塁打を量産し始めたのも、相手投手と一通り対戦した6月になってからだった。

 だからといって、昇格後すぐに結果が求められる1軍において、守備を大きな課題とする新人内野手に「一通り対戦させるまで待とう」などという優遇が与えられるはずはない。34打席で本塁打2本含む3安打の成績では、居場所を確保できなかった。

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