田中将大、日本人初サイ・ヤング受賞のカギは新世代のスタッツ?
従来のスタッツで秀でているのは防御率だけだが…
レギュラーシーズン終了まで残すところ2週間ほどとなったが、ヤンキース田中将大投手の評価がうなぎ上りしている様子が、海を越え日本にも聞こえてくる。ウェーバー手続きを経ないトレード期限だった8月1日を前に、若手起用に切り替えたヤンキースが、現時点でもワイルドカード争いの渦中にいるのは、名門ヤンキースのエースとして田中が安定したパフォーマンスを続けることも一つの要因だろう。
辛口で知られる地元NYメディアもこぞって田中を絶賛している。前回先発した15日(日本時間16日)の敵地レッドソックス戦では、勝敗こそ就かなかったが、7回を4安打1失点と好投。防御率を2.97まで下げ、ア・リーグでトップに立った。もし防御率タイトルを獲得すれば、ヤンキース投手としては1980年以来の快挙。投手にとって最も栄誉あるサイ・ヤング賞候補としての声も聞こえてくる。そんな中、スポーツ専門局ESPNの公式サイトでは、田中のサイ・ヤング賞獲得の可能性を、ヤンキースのロスチャイルド投手コーチの意見を交えながら検証している。
今季のサイ・ヤング賞候補と目されるのは、リック・ポーセロ(レッドソックス)、コーリー・クルーバー(インディアンス)、クリス・セール(ホワイトソックス)ら。ロスチャイルド投手コーチは、田中も素晴らしいシーズンを過ごしていると認める一方で「残り試合で際立った投球をしなければならない。今年本当に素晴らしいシーズンを送っている投手が何人かいるからね」と話し、田中の受賞は難しいという見解を示している。