【森脇浩司氏の目】ホークスVSロッテ第1R、勝敗分けた2番手投手の差 求められる大胆さと繊細さ

一つのミスが命取りに

 ホークス側は早いカウントではバント構えでの盗塁を考えていたと思う。逆にロッテサイドはその動きを読み0-1後から2-1まで横外し、ウエストで対抗しようと考えていたはず。見応えのある場面だっただけに(走者が)早く動き過ぎた捕手の構えを捉える繊細さを見せ、カウント1-1からのせめぎ合いを見たかった。

 ホームランあり、豪快な奪三振あり、また僅差であるがゆえベンチ、選手の動きから目が離せない素晴らしいゲームだった。

 挑戦者と公言する伊東監督は1点ビハインドの9回カウント2-0からスチールで抵抗した。遅かれ早かれ、初戦が終わればどちらかに王手がかかる超短期決戦初戦を取ることの重要性は言うまでもないが、清田の先頭打者ホームランにデスパイネの2本塁打、波乱の幕開けを感じさせるには十分だった。

 改めてこの舞台に相応しいチームだと感じた。一つのミスが命取りになるのは間違いなく、第1戦同様、2番手投手がポイントになるだろうが、強いプレーでファンを魅了し、一喜一憂する接戦を期待したい。

◇森脇浩司(もりわき・ひろし)

1960年8月6日、兵庫・西脇市出身。現役時代は近鉄、広島、南海でプレー。ダイエー、ソフトバンクでコーチや2軍監督を歴任し、06年には胃がんの手術を受けた王監督の代行を務めた。11年に巨人の2軍内野守備走塁コーチ。12年からオリックスでチーフ野手兼内野守備走塁コーチを務め、同年9月に岡田監督の休養に伴い代行監督として指揮し、翌年に監督就任。178センチ、78キロ。右投右打。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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