仙台大、DeNA熊原卒業後初のリーグV ドラフト候補の桃太郎を中心に制覇
「自分のバットでチームを勝たせることを考えてやってきた」
「松本の存在は大きかったと思いますが、それだけでは勝てなかった。松本に引っ張ってもらった部分と、逆に松本が仲間に引っ張ってもらった部分がある。リーグ優勝は、部員、全員のものです」
森本監督はこう振り返る。前日までは大当たりだったが、この日の試合前に「今日は打てないと思います。朝のバッティング、良くなかったんですよね」と話していたことが的中(?)し、この日は内野安打1本。5回には犠飛を打ったが、1番・望月隆晟(2年)が先制の2点タイムリーを放つなど、周りが安打を重ね、「僕、今日の試合はチームの得点にあまり関わっていないんですけど、他の選手が打ってくれて勝ちゲームにできました」と喜んだ。
1年秋のリーグ戦で打撃三冠など、タイトルを総なめにした。最後のリーグ戦は打率5割、10打点、4本塁打。リーグ通算安打は120に伸ばした。
「自分のバットでチームを勝たせることを考えてやってきました。完璧にできたかはわからないけど、春よりはチームを救えたと思います。力は出し切りました。次はトーナメントなので負けたら終わり。その試合、その試合を全力で、相手を倒しに行きたいと思います。ミスも出ると思いますが、みんなでカバーしていきたいと思います」
昔話の桃太郎には勇敢な仲間がいた。仙台大の桃太郎にも信頼できる強力なチームメイトがいる。次なる戦いは明治神宮大会出場をかけた東北地区の代表決定戦だ。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi