高校秋季東北大会が開幕 秋田・角館が大谷母校の花巻東に勝利
今夏まで二塁出場のエース鈴木佳が無四球投球
高校野球の秋季東北大会が14日、山形県の庄内銀行・日新製薬スタジアムやまがた他で始まった。1回戦では、2014年夏の甲子園に出場している角館(秋田第3代表)が、日本ハム・大谷翔平らを輩出している花巻東(岩手第3代表)に5-1で勝利した。
今大会からエースナンバーを付ける鈴木佳偉(2年)が花巻東を7安打に抑え、角館が3年ぶりの東北大会で勝利の校歌を歌った。湯澤淳監督が「エラーも出たが、ウチらしく粘り強く守ってくれた」と話したように、ヒットや失策で走者が出ても、落ち着いて守り抜いた。
鈴木佳は準優勝した今夏の秋田大会でもセカンドで試合に出場するなど、県大会まで背番号は4番だった。「ピッチャーは競り合っている」と湯澤監督。今大会は鈴木佳を含め、投手をできる選手が8人もベンチ入りしている。
「みんな、地元の中学校でエースや2番手で、中学校の頃からライバルとして投げ合ってきた子たち。地元で頑張って、地元に残ってくれた子たちが多い。中学校の時はライバルとして、今は仲間として頑張っていますね」(湯澤監督)
その中で鈴木佳は県大会での好投が認められ、エースナンバー「1」を手にした。しかし、今月9日に中京大中京と行われた秋田県の強化招待試合では、2番手で登板すると1イニングに6四死球と乱れた。その反省から「低めにしっかり集めること、丁寧に投げることを意識しました」と鈴木佳。打線が、初回に先頭から3連続四球の後、4番・高橋昇陽(2年)、6番・佐藤蓮人(2年)のタイムリーで4点を先制したことも気持ちを楽にさせ、この日は無四死球投球。わずかな期間で成長を見せた。
唯一の失点は3回。2死二、三塁で鈴木佳が二塁へけん制した際、送球が走者に当たってボールが転がる間に三塁走者がホームインした。「マウンドに集まった時にバッター勝負と確認したのに、自分がけん制のサインを出してしまって」と反省したのは、遊撃手の高橋夏南人(2年)。こうしたミスはあったものの、1つのミスを広げることなく、落ち着いた試合運びを見せた角館。15日の2回戦は宮城第1代表の仙台育英と対戦する。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi