「負けたら4年生が引退になる」― 帝京出身1年生右腕が勝利導く好投

明治神宮大会へ仙台大1年生右腕が好投 「コントロールを意識してきた」

 明治神宮野球大会の出場をかけた、第8回東北地区大学野球代表決定戦の準決勝が22日、宮城・仙台市民球場で行われた。仙台大は青森大に2-1で競り勝った。

 仙台大の1年生右腕・稲毛田渉が5安打1失点完投でチームを決勝に導いた。

「負けたら4年生が引退になる試合。自分にできることをやることが一番だと思った。自分らしいピッチングをしようと思いました」。初回に味方が2点を先行したが、その後はホームが遠のいた。そんな中、5回に内野安打で走者を出すと味方の失策などが絡み、1点を失った。それでも、「いつも野手に助けられている。今度は自分が助けようと思った。自分が慌てたら野手も慌てるので冷静にいこうと思いました」と、それ以上の傷口は広げなかった。

 入学早々の春季リーグ戦では5試合で16イニングを投げ、1勝2敗。秋季リーグ戦では5試合に登板し、4勝0敗の成績を残した。38回2/3を投げ、防御率1.40で新人賞を受賞した。この日も全国の舞台につながる大事な試合で先発を任され、堂々の投球を披露。「最近、四球が多かったので練習でコントロールを意識してきた。今日は変化球も良かった」と、無四球完投で決勝への道を開いた。森本吉謙監督も「3ボールになった場面もあったが、しっかり投げ切ってくれた」と称えた。

 富士大との決勝戦に向け、帝京高出身の1年生右腕は「あと1勝なので、明日も全力で頑張りたい」と気合十分。森本監督も「(チームとしての)ここまでの積み重ねが結果として出ると思う。総力戦で頑張りたい」と力を込めた。

【了】

高橋昌江●文 text by Masae Takahashi

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY