巨人から育成8位の四国IL松澤の個性 北米遠征で見つけた「フルスイング」
2年連続で四国IL北米遠征に参加、海外の選手が持つ“個性”に刺激
20日に行われたプロ野球ドラフト会議で、巨人は育成8位で四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズに所属する松澤裕介外野手を指名した。名前が呼ばれたのは、1巡目指名から3時間余りが経過した頃。全体の最終指名ではあったが、プロ入りのスタートラインに立てたことには変わりない。
昨年、同じく巨人から育成3位指名された松澤は、左手に手術を擁する怪我を負い、やむなく入団を辞退する決断をした。それから1年。再びNPB入りを目指して香川で邁進する日々を送ったわけだが、そこで意識したのは「自分のプレースタイル」の確立だった。
自分も持ち味は「フルスイング」だと胸を張る。以前から、パワフルな打撃と強肩が持ち味としていたが、その特長を前面に押し出そうと決めたのは、2015年、2016年と2度参加した北米遠征だった。
アメリカをはじめ中南米など海外の野球選手は、一芸に秀でた選手が多い。足は遅いが、それを補う長打力があったり、制球力にやや難があっても、打者を圧倒する球威の速球を持っていたり。「フィジカルもプレーそのものも、向こうの選手は1人1人見ていて面白かったです」と、遠征時を振り返る。
「プレースタイルがはっきりしているんです。外国人は体が強いとかデカイとか、そういった言葉で片付けちゃいますけど、1人1人ちゃんと見ていたら自分を持っているし、『こうしたいんだろうな』っていうのが見えてくる。その分、個性を生かすための技術も兼ね備えている。NPBのスカウトの方が独立リーグを見る時、平均して上手い選手じゃなくて、何かに秀でた選手が目に留まると思うんです。だから、しっかり自分の色を出したプレーを目指すことにしました」
今季は思うような成績は残せなかったが、フルスイングのスタイルを貫き、巨人が再指名してくれた。まずは支配下登録されること、1軍で活躍することが目標だが、将来の夢は大きく海外にも広がる。
「子供の頃に文集に書いた自分の年表で、プロ野球選手になって活躍した後は、メジャーリーグに行くって書いたんです。まだまだ実力が伴わなくて夢のような話。これから少しずつ実力をつけて距離を縮めていかなければいけない。今年の北米遠征中にメッツの球場で試合を見て、めちゃ感動しました」
子供の頃から憧れた日本人選手は、巨人とヤンキースで活躍した松井秀喜氏。そして、今憧れるメジャーリーガーは、パイレーツのアンドリュー・マカッチェンだ。究極の目標に向け、まだスタートラインに立ったばかり。まずは憧れの巨人のユニフォームに袖を通し、大先輩・松井氏のようなチームを代表するスラッガーに成長したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count