岐路に直面する選手たち、それぞれの決断 過去5年のFA宣言に見る明暗
2011年度のFAでは杉内&村田が巨人へ、メジャーでも輝きを放った岩隈
【2011年】※国内、海外FAを含む
杉内俊哉投手(ソフトバンク)→巨人
許銘傑投手(西武)→オリックス
帆足和幸投手(西武)→ソフトバンク
小池正晃外野手(中日)→DeNA
鶴岡一成捕手(巨人)→DeNA
篠原貴行投手(横浜)→残留
和田毅投手(ソフトバンク)→オリオールズ
川崎宗則内野手(ソフトバンク)→マリナーズ
岩隈久志投手(楽天)→マリナーズ
大村三郎外野手(巨人)→ロッテ
新井貴浩内野手(阪神)→残留
村田修一内野手(横浜)→巨人
11年度は国内FA、海外FA合わせて12選手が権利を行使。海外FA権では当時ソフトバンクの和田毅がオリオールズ、同じくホークスの川崎宗則と楽天の岩隈久志がマリナーズへと移籍した。和田は渡米後にトミー・ジョン手術を受けるなど逆風に直面したが、14年に移籍したカブスでマイナーから這い上がり、メジャー初勝利を含む4勝をマーク。今季ホークスに5年ぶりに復帰し、最多勝、最高勝率の2冠を達成した。川崎は渡米後、5年連続でマイナーからメジャー昇格を勝ち取るなど奮闘。岩隈はマリナーズの先発ローテの一角として活躍し続け、今季はメジャー自己最多の16勝をマーク。通算でも63勝37敗、防御率3.39とチームを代表する先発投手として輝きを放っている。
同年度はソフトバンクの杉内俊哉、ベイスターズの村田修一がFAで巨人に移籍。巨人は翌12年からリーグ3連覇を成し遂げた。杉内は移籍以降、3年連続で2桁勝利をマーク。村田は移籍1年目で打率.252、12本塁打、58打点と伸び悩んだものの、移籍から2年連続でベストナインに輝き、2年目は打率.316、25本塁打、87打点と復調した。また、13年、14年とゴールデングラブ賞にも輝いている。
またこの年は当時阪神の新井貴浩がFA権を行使した上で残留。一方、その年の途中で巨人にトレードで移籍していた大村三郎はFAでロッテに復帰し、サブローの登録名に戻った。巨人所属はわずか154日間で、復帰翌年は77試合で4番を任され、打率.239ながらリーグ最多の78四球で出塁率.346をマークした。
そのほかFA権を行使したのは許銘傑、帆足和幸、小池正晃、鶴岡一成、篠原貴行の5選手。許銘傑は西武からオリックスに移籍し、初年度は37試合に登板したが、0勝3敗10ホールド1セーブ、防御率5.29に終わり、2年目で戦力外に。同じく西武からソフトバンクに移籍した帆足は1年目にわずか1試合の登板にとどまったものの、移籍2年目に8勝、3年目に6勝をマーク。15年シーズン限りで現役を退いた。
また、小池は中日からベイスターズに復帰し、12年は前年を上回る88試合に出場。翌13年に引退した。鶴岡も巨人からベイスターズに復帰。12年はキャリア最多の102試合、13年はキャリア最多の108試合に出場。オフに久保康友の人的補償で阪神に移籍し、今季限りで引退となった。一方、篠原は権利を行使したものの残留し、12年は50試合に登板。13年にユニフォームを脱いだ。