小坂誠氏、熊原健人を輩出 創立30周年迎えた県立高校が目指す甲子園への道
宮城県大会準VのOBも観戦、「いつかは出てほしい」
それでも、夏の福島大会10連覇中で現チームも秋季東北大会4強入りした聖光学院のレベルを肌で感じたことはプラス。「もっと練習しないといけない」と気を引き締めた。
スタンドには野球部OBの姿もあった。仙台大3年で、13年夏の宮城大会で準優勝した時のエース・岩佐政也は「高校時代はとても辛かったですね」と苦笑い。宮城大会決勝は5点リードをひっくり返されてサヨナラ負けだったが、「優勝したかったけど、決勝までみんなと野球をやれたのはいい思い出」と懐かしんだ。
甲子園まであと一歩だっただけに「いつかは出てほしい」と母校の悲願を願う。この日、2番手で登板した岩佐公太は弟。「出るなら弟たちの代で出てほしいですね。上を見すぎると足元をすくわれるので、1戦、1戦を大事に戦ってもらえれば」とエールを送った。
今年の柴田高は春季県大会で4強入り。夏は宮城大会準々決勝まで進出した。今秋は県大会2回戦で東北学院高に1-3で敗戦。来年の巻き返しを狙う。伊丹主将は「(夏の宮城大会で)準優勝するなど、先輩方が伝統を作ってきてくださったので、その伝統を崩さないよう、何としても甲子園に行けるようにがんばりたいです。また、これからもいい伝統を作っていけるようにチームを作っていきたいと思います」と、さらなる飛躍を誓った。
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高橋昌江●文 text by Masae Takahashi