NY紙が松井秀喜氏の特集記事 長男に「プレーしてもらいたい気持ちある」

現在の役割に感じる喜び、「とてもハッピーになれる」

 そして、松井氏自身も現在のポジションで喜びを感じているという。今夏、プレーオフ進出への望みが薄くなっていたヤンキースは、トレード期限直前に主力を大量放出。その代わりにマイナーから有望な若手を引き上げた。その選手たちは、メジャーで躍動。特に、捕手のゲーリー・サンチェスは53試合で打率.299、20本塁打、42打点と圧巻の活躍を見せ、ほぼ後半戦しか試合に出ていなかったにもかかわらず、新人王投票で2位に入った。他にも、ともにメジャー初打席で2者連続ホームランを放つという史上初の離れ業を演じたタイラー・オースティン、アーロン・ジャッジといった選手が存在感を見せた。

 記事では、松井氏がサンチェスらを春にマイナーで見ていたことを紹介し、本人が「とてもハッピーになれる。組織は特定の選手に注目するだろうけど、僕の場合は、誰であっても成功する姿を見るのがハッピーなんです」と話したことも伝えている。

 さらに、特集では「選手時代、マツイは英語でのちょっとした会話に不自由していなかった」と解説しつつ、このインタビューでは長い回答に限って、選手時代から専属通訳を務めるロヘリオ・カーロン氏が訳していたことに言及。選手の指導も英語で行っている松井氏だが、「もし何か特別なこと、細かに伝えることが少し重要な何かがあるときは、通訳にアシストをお願いしています」と明かしたという。若い選手たちとのコミュニケーションにも全く問題はないようだ。

 日本では、松井氏に対して、監督としての巨人復帰を望む声も根強い。ただ、記事では、キャッシュマンGMが松井氏の「能力を見極める偉大な目」を高く評価していると指摘。GM特別補佐として契約延長を続けており、「これは本当に彼次第。彼から得られるだけ得るつもりだ」と、球団は“終身雇用”を望んでいるという。勝負強い打撃と誠実な人柄でプレーヤーとして愛された男は、第二の野球人生でも類まれな能力を見せている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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