開幕前の予想安打数は「38本」…低評価覆したイチローの躍進
米記者もシーズン途中に“誤り”認める
一部でオールスター待望論も沸き起こるほどの活躍を見せた6月には米主要紙「ワシントン・ポスト」が「イチロー・スズキは開幕前の予想が間違っていたと証明している。これがその理由だ」と題した検証記事を掲載。記事の中で執筆者でもあるニール・グリーンバーグ記者自身も「最も楽観的な見方をしても173打数43安打で、今季3000本達成は疑わしいという原稿を書いていた」と告白していた。
そのイチローは7月、8月と失速し、3000安打達成に足踏みする時期もあったが、8月7日(日本時間8日)の敵地ロッキーズ戦でメジャー史上30人目の3000安打を達成。7回の第4打席、左腕ラシンからライトへ強烈な打球を放ち、今季2本目となる三塁打で決めた。その一打は福本豊氏の日本記録(115本)を抜く自身通算116本目の三塁打となるなど、まさに記録ラッシュのシーズンとなり、ベテラン健在を大きく印象付けた。2016年シーズンは結果、143試合の出場で327打数95安打、打率.291、1本塁打、22打点、10盗塁だった。
イチローはオフに突入すると早々とマーリンズと契約を更新。来季だけでなく、2018年シーズンの契約オプションも盛り込まれるなど40歳を超える選手としては異例の内容となった。43歳で迎える来季はどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか。そろそろ、現地の打撃成績の予想も出始めるころ。今季見せたように、その予想を遥かに上回る活躍を期待したい。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count