米記者は「敗者」に“分類“!? 大谷翔平はMLB新労使協定の影響を受けるのか
「大谷にあわせて何らかの微調整が行われる可能性も」、NPBは「勝者」に分類
そんな中、「USAトゥデイ」のナイチンゲール記者は、新労使協定の合意を受けて大谷を「敗者」と定義した。まずは、二刀流右腕について「日本版のベーブ・ルースと言える存在」と説明し、「暫定的に彼は来季後にMLB挑戦を考えていたとされる」と推測。その上で、以下のように指摘している
「しかし、インターナショナル・ルールでは、プロ選手が制約を受けないFA選手として扱われるには、少なくとも25歳を迎えていることを条件としている。大谷が2億ドル(約228億円)級の契約を得るには2019年まで待たなければいけない。さもなければ600万ドルのボーナスのみに留められてしまう」
やはり、大谷にとっては不利になるとの見方だ。「新しいポスティングシステムの制定など、大谷にあわせて何らかの微調整が行われる可能性もあるが、まだ不確定な部分を残している」と含みを持たせているが、メジャー挑戦時に大谷が“損”をすることを危惧している。
一方で、同記者が「勝者」と位置づけているのは「日本」だ。ボーナス・プールが変わることにより、日本人選手の渡米が遅くなるだけでなく、中南米系の若手選手がメジャー入りの前に日本球界を狙う可能性があると指摘。NPBのレベルアップにつながるというのだ。
「日本球界はスター選手を25歳まで引き止めることが可能になるだけではなく、ポスティング費で懐を潤すことができるようになるだろう。また才能ある若手選手の流入があるかもしれない。ラテン系のアマチュア選手が500万ドル以上の契約を得られないことで、一部の代理人たちは日本への選手進出を予想している。日本で実力を磨き、その後に大金を得るということだ」
25歳までに日本で実績を残し、メジャー球団との超大型契約を目指す。そんな選手が増えてもおかしくないというのだ。
ナイチンゲール氏やシャーマン氏が指摘するように、NPBとMLBの協定がどのように変化していくかで、状況は変わっていく可能性がある。日本球界も大谷も「勝者」となることが理想的だが、新労使協定が与える影響を今後も注視していく必要がありそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count