2017年シーズンでの飛躍が期待されるパ・リーグの若手選手たち

U-23ワールドカップ優勝に貢献のオリックス青山、ウエスタン安打記録を4本更新したSB塚田

【オリックス・青山大紀投手】
ファーム成績:18試合3勝8敗 91回 51奪三振 防御率5.34

 青山投手はプロ1年目の22歳。名門・智弁学園時代は1年生時からレギュラーを張り、甲子園出場も経験している。150キロに迫るストレートを武器とする投手だが、打撃や走塁のセンスも光り、投打でチームをけん引した。今季はファームでの登板が主で、3勝8敗と負け越し。9月20日の埼玉西武戦で初めて1軍の試合に登板したが、4回4失点、防御率6.75とほろ苦い結果。プロの洗礼を浴びるシーズンとなった。

 しかし、10月28日から開催された「第1回WBSC U-23ワールドカップ」の代表メンバーに選出されると、JR東日本との練習試合では2回無失点、31日(日本時間)の第3戦では6回2失点、11月6日のスーパーラウンド最終戦では7回2失点を記録。すべて先発として登板し、チームの優勝に貢献する力投をみせた。11月25日から12月18日までの「2016アジアウインターベースボールリーグ」のウエスタン選抜メンバーにも選ばれ、現在も好投を続けている。不足するチームの先発ローテーションの一角に食い込めるか、青山投手の来季に注目したい。

【福岡ソフトバンク・塚田正義選手】
ファーム成績:116試合407打数124安打8本塁打50打点 打率.305

 塚田選手は2011年に入団した27歳。プロ5年間で1軍での試合出場は計17試合に留まっているが、昨季4月14日のオリックス戦ではプロ初安打をホームランで飾り、鮮烈デビューを果たした。今季のウエスタン・リーグでは打率.305、124安打、出塁率.424をマークして、首位打者、最多安打、最高出塁率という打撃部門の3つのタイトルを獲得。特に124安打は、ウエスタン・リーグのシーズン安打記録を4本更新する数字であった。ファームではもうやることがないといっても過言ではないだろう。

 しかし、昨季のウエスタン・リーグで、塚田選手と同じく突出した成績を叩き出した選手のうち、今季1軍に定着できた選手はほんの一握りだった。ファームで結果を残しても、その力が1軍で通用するとは限らない。福岡ソフトバンクは選手層も厚く、簡単には1軍に上がれないということもあるだろう。来季こそ与えられたチャンスを確実に掴み、熾烈を極めるレギュラー争いに名乗りを上げてほしい。

 以上、来季からの飛躍が期待される6選手を挙げてみた。彼らは元々持っている力を、多かれ少なかれ数字として表すことができているため、ポテンシャルの高さを判断しやすい。それを発揮できさえすれば、1軍の戦力になれると予想するのは簡単だ。

 しかし、まだ誰にも見出されていない才能の持ち主も、ファームや今季の新人選手の中にいくらでも隠れているのだろう。野球は数字のスポーツだと言われるが、信頼のおけるデータをいくら集計して予想しても、それを超えていく選手や結果が時々現れる。どんな名選手の展望も、その時になってみなければ分からない。それが野球の恐ろしいところでもあり、われわれを惹きつけて離さない醍醐味でもある。来季、一人でも多くの新しい選手の活躍が見られることを、今から楽しみにしたい。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」編集部●文

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