魂の復帰登板、神けん制…快進撃DeNA支えた「陰の両腕」

62登板の須田はCSで魂の復帰登板、全直球勝負

 DeNAの今季最多本塁打といえば筒香嘉智、今季最多勝利といえば山口俊。ここまでは熱心な野球ファンなら知っている。だが、DeNAの今季最多登板といえば、誰か。そうなると、すぐに名前は出てこないかもしれない。6年目の右腕・須田幸太である。

 2015年までの5年間で計71登板の男が、今季は実に62試合に登板した。自己最多登板で、CS初進出を果たした陰の主役の一人と言っても過言ではないだろう。敗戦処理からスタートした今シーズン。5月から勝ちパターンの一角を任されるようになると、主に7回を任され、三上朋也、山崎康晃とつなぐ「勝利の方程式」に欠かせない存在となった。

 176センチと決して大きくない体から強気に繰り出す直球主体の投球で、打者をねじ伏せる。その勝ち気な姿勢は投球だけではない。9月24日の巨人戦(横浜)。投球中に左太もも裏の肉離れを負い、負傷降板した。

 当初は今シーズン中の復帰は絶望的とみられていたが「ケガをした次の日からCSで復帰することだけを考えていた」と強い執念で、広島とのCS最終ステージ第3戦目から復帰。いきなり3点リードの8回2死満塁から登板すると、新井をオール直球勝負で斬り、最終ステージ初勝利に導いた姿はファンの心を打った。

 ブルペン陣を支えたのは須田だけではない。9年目の田中健二朗もその一人だ。

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