世界一カブス・マドン監督は何がスゴイ? 直弟子・岩村明憲が語る名将秘話

2008年にあった三塁から二塁へのコンバートの真相、「チームが強くなるために…」

――2006年ドラフト1巡目(全体3位)で三塁手エバン・ロンゴリアが入団していました。2007年後半からロンゴリア待望論が沸き始め、当時三塁を守っていた岩村さんをコンバートするのでは、という話が出る中、2008年に岩村さんは実際に二塁へ配置転換されました。移籍1年目の2007年を終えて、三塁手としての手応えを感じていただけに、複雑な思いもあったのでは。

「今になって見れば、ロンゴリアもリーグを代表するサードになってるから、しょうがないな(笑)。

 2007年の最終戦、トロントでのデイゲームで『今日、お前セカンドやってみるか?』って言われたんだよ。『はぁ?』って(笑)。その1か月くらい前からコンバートの噂はあったし、実はジョーから打診もされていた。俺は日本でゴールドグラブを6回も獲って、2007年は(エイドリアン・)ベルトレより多分守備率よかったと思うんだよね(三塁守備率.975はア・リーグ1位)。そこまでの自負はあったから『どうしてコンバートを考えているのか教えてほしい』って聞いたんだ。そしたら『アキがセカンドに行って、守備の穴を埋めてくれたら、このチームは強くなる』って、はっきり言ってくれた。三塁にロンゴリアが来るって話は一度も出なかった」

――ロンゴリアの存在がコンバートの理由ではなく、チームが勝つために二塁の穴を埋める必要がある。そのために一役買ってほしい、という形で、モチベーションを上げてくれたんですね。

「そう、チームが強くなるからって。確かにセカンドは穴だった。『アキが二塁に行ってくれれば、このチームは絶対に強くなる』って。だから『分かった。じゃあ二塁を守る』ってなったんですよ。最終戦の朝、ジョーは『アキ、今日はセカンドで行け』って俺に言ってから、オーダー表を貼り出した。俺がオーダー表を見て初めて二塁だって知るんじゃなくて、事前に納得した形で発表してくれたんだよね」

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