世界一カブス・マドン監督は何がスゴイ? 直弟子・岩村明憲が語る名将秘話
選手の質問に時間を取って答える懐の深さ…「そこは大切にしていきたい」
――そういう細かい部分に気遣いのできるマドンイズムは継承していきたいですね。
「継いでいきたいね。俺が、あの大橋巨泉メガネが似合うんだったら、あれも継いでいきたいけど(笑)。福島で震災があった時も、すぐに反応してくれてね。思いやりのある、すごく人情味にあふれている監督。いろんな意見を言ったけど、ぶつかったことはゼロ。『あの時のエンドランは、どういう意図だったの?』っていう純粋な質問をしたことはいっぱいある。それに1回1回、時間を取ってしっかり答えてくれた監督でもあった。懐の深さを感じたね」
――岩村さんも福島の選手が質問してきたら、同じように時間を割いているんですか?
「そうしようと心掛けてる。高橋元気っていうピッチャーがいて、よく『監督、この時はこう攻めた方がいいんですか?』って聞いてくる。だから『こうだと思うよ。俺がバッターだったら、これが嫌だ。他のバッターは分からないけど、俺はこういう攻め方が面倒臭かった。打者にとって面倒臭い配球をした方がいいよね』っていう話はする。ピッチャーにとってインサイドの使い方や配球に正解はない。ただ、インサイドを使わないでアウトサイド一辺倒では狙われてしまう可能性が高い。だから、『こういう風にした方がいいんじゃないか』っていう打者目線の話は伝えるね」
――選手にとって、監督とそういう会話をできるのは、とても勉強になりますよね。
「日本だと、選手から監督に質問しづらい環境にあるかもしれないけど、やっぱり大切なのはコミュニケーションだと思うし、信頼関係。そこは大切にしていきたいと思います」
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count