まだまだ尽きない情熱― 退団のロッテ池田寮長、あっという間の49年

レジー・ジャクソンから4打席4三振、感嘆上がる秘話

 ロッテが米アリゾナでキャンプを行った際の練習試合では後にヤンキースで563本塁打を放つレジー・ジャクソン(当時アスレチックス)から4打席4三振を奪った。この話題に今度は感嘆の声が上がった。その後はコーチや裏方としてロッテを支え、00年に寮長に就任した。コーチ時代も、寮長になってからも練習では若手選手に投げ続け抜群のコントロールを披露した。ならばと12年より2軍打撃投手を兼務。そして70歳を迎えてなお打撃投手の仕事を全うした。

「プロ入りして49年。ロッテに入って44年。こんなに長いこと、野球に携わらせていただけるとは思っていなかった。現役を終えた後もトレーニングコーチ、育成コーチ、チームスタッフ、そして寮長を17年間やらせてもらった。本当に幸せな日々だったよ」

 そんな寮長も今年11月30日を持って退団をすることになった。11月23日。ファン感謝デー参加のため選手たちが寮からマリンに向けて出発する前に、寮の駐車場に全員集合をかけた。この日が事実上、寮生全員が寮に集合をしている最終日。いつもみんなで朝の体操を行った想い出の詰まる場所に全員を集め、今年限りで仕事を離れることになったと伝えた。そして最後の訓示が始まった。それはこの17年間、変わらずに寮生たちに言い続けてきたこと。最後の日もいつもとまったく同じだった。

「毎日言ってきたことだけど、くだらないことで評価を下げて、損をするなよ。人に好かれる必要はない。でも嫌われるなよ。そのためには、まずは挨拶。そして約束の時間を守ること。とにかく人として当たり前のことを当たり前にやること。人間、まずはそこからだからな。朝食はしっかりととる。部屋の整理整頓をする。部屋を出る時は電気を消す。そういう当たり前のことの積み重ねが人生では大事だからな」

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