米国は家族と共に、日本は裏で支える…それぞれの美学

テレビ画面では伝わらない選手を支える家族の存在

 メジャーリーグでは、2011年から選手も産休を取れる制度が導入された。さらに、親族の不幸などがあった際にもチームを離れることを可能にしたビリーメント・リストという制度が存在する。双方ともに25人の選手枠に影響を与えないように、当該選手がチームから離れている間は選手を補充できる制度だ。最低3日から最長7日間の登録が可能で、コミッショナー事務局からの許可を得れば、チームを離れてもMLB登録日数としてカウントされる。

 シーズンを通して選手やチームに帯同させてもらうと、長い1年の生活全てが野球中心に動いていることが分かる。野球は仕事だが、それでも人生には野球以上に大切なこともある。テレビの画面越しで見ているだけでは、なかなか感じられないことかもしれないが、選手にもそれぞれに家族をはじめ、支えてくれる多くの人たちがいる。

 チームが優勝を果たした時、喜びを爆発させる現場の裏では、彼らを支えてきた多くの人たちには、その努力が報われる瞬間が訪れる。共に戦う姿が見られる米国と、裏で支える日本。シーズンが幕を閉じる時、それぞれの文化の美学に思いを馳せた。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」新川諒

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