ファンと心を一つに― 本拠地で38回、ロッテ「勝利の名物儀式」誕生秘話

幼い子供も心待ちに、今年は38回の「WE ARE」

「僕にとっては誇りです。あれは他球団にも過去にもないこと。ファンの方々と僕たちが勝利の喜びで一つになれる瞬間だった。もちろん、ミスをしたり、調子が悪くて悩んでいる日もありました。特に今年は自分自身の思い通りの結果が出なくて辛いこと、悔しいことが多かった。雨の日もあった。それでも、外野に行って一緒に飛び跳ねていると、不思議と気持ちが晴れやかになったんです。それにあの時、『僕は絶対に行く!』と約束をした。ファンの方から直接、意見を聞いたわけではないので、何とも言えませんが喜んでくれたのではないかと信じています。僕はあの時、『やりたい』と意見をして本当に良かったと思っています」

 マリーンズは2016年シーズン、本拠地で38勝をした。だから、38回、「WE ARE」をした。最初はぎこちない部分もあった。が、徐々に形ができた。最初は不安で一杯だった。ファンが受け入れてくれるだろうか。仲間たちは一緒にやってくれるだろうか。そもそもイメージ通りにうまくできるのだろうか。ただでさえ、キャプテンとしてチームをまとめる重い任務を背負っていながら、背番号「7」は自ら率先して動き、新たな挑戦をした。

 スタンドではファンが肩を組み、飛び跳ねていた。試合前に小さな子供たちから「今日、WE AREしましょうね」と声を掛けられることがなによりも嬉しかった。グラウンドでは選手たちも拡声器でスピーチをして率先して喜びを表現してくれた。その中心にいたのは間違いなく背番号「7」だ。

 12球団でマリーンズにしかない誇れる勝利の儀式。それはキャプテンが魂を込めて作り上げた手作りのイベント。みんなでマリーンズの勝利ということに、心が一つになれる最高の瞬間だった。

(記事提供:パ・リーグ インサイト

【了】

「パ・リーグ インサイト」マリーンズ球団広報 梶原紀章

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY