海外で初めて日本球団名が冠スポンサーに 西武がカンボジアでの親善試合に協賛したワケ
他球団にも輪が広がっていくことを強く望む西武
この親善試合直前にはインドが不参加となる“トラブル”も発生した。それでも、ライオンズにとっては初めて海外の試合でプロ野球球団のチーム名が冠スポンサーになる前例を作るという、意味のある機会となった。思いを共有した郵船ロジスティクスやカンボジアの日系企業も賛同し、アジアへの野球普及が1つの形となった。各国の同じ世代が集まり、野球を楽しむ。ライオンズにとっては、海外で球団名を知ってもらうという単純な活動ではなく、もっと大きなビジョンの下、野球普及のきっかけを作るための親善試合協賛だった。
今回はライオンズとしての取り組みではあったが、球団は今後、その輪が広がっていくことを強く望んでいる。別府氏は言う。
「1球団だけで普及活動を行っていてもなかなか広がっていかず、定着も難しい。ライオンズが独自で行っていくというよりは、色々な活動を行っていき、ライオンズの取り組みをきっかけとして、他の球団、メディア、ファンの方に知ってもらい、興味を持ってもらい、活動に参加していってもらいたい」
野球とソフトボールは2020年東京五輪から正式種目に復帰する。ライオンズだけでなく野球界全体がオリンピック、パラリンピックに向けて野球普及活動に取り組んでいる。ライオンズはすでにパラリンピックも意識し、車椅子ソフトボールへの支援も行っている。
今後はライオンズをはじめ、球界全体がさまざまな形で野球普及活動に取り組み、その輪を国内だけではなく、アジアへ、世界へ広げていくことに期待したい。
(記事提供:パ・リーグ インサイト)
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「パ・リーグ インサイト」新川諒●文