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俊足巧打の選手が多数 非常に貴重な「スイッチヒッター」という存在

スイッチヒッターとして好成績収めた松井稼、西岡

【松井稼頭央】
〇NPB通算成績
1839試合7075打数2068安打199本塁打825打点、打率.292

〇NPBでの年度別、対左右打率
1995年 対左打率.290 対右打率.190
1996年 対左打率.291 対右打率.281
1997年 対左打率.314 対右打率.307
1998年 対左打率.337 対右打率.300
1999年 対左打率.376 対右打率.309
2000年 対左打率.333 対右打率.313
2001年 対左打率.293 対右打率.316
2002年 対左打率.313 対右打率.342
2003年 対左打率.314 対右打率.302
2011年 対左打率.249 対右打率.266
2012年 対左打率.281 対右打率.258
2013年 対左打率.229 対右打率.256
2014年 対左打率.295 対右打率.289
2015年 対左打率.289 対右打率.247
2016年 対左打率.281 対右打率.175

 楽天の松井稼は、スイッチヒッターとしては1、2を争う知名度を誇る選手だろう。1993年のドラフト3位で西武に入団。走攻守揃った選手として、盗塁、打撃、守備、すべての部門で名誉ある賞に幾度も輝いている。2015年に日本での通算2000本安打に到達し、スイッチヒッターとしては元巨人の柴田勲氏に続いて史上2人目の大記録達成となった。

 1996年までは、やや右投手を苦手としている傾向があったが、1997年から2003年までの7年間で6度、左右どちらの投手に対しても打率3割超えを記録。スイッチヒッターらしく、高いレベルでバランスを保ち、強い西武ライオンズの中心選手として活躍した。

【西岡剛】
〇NPBでの通算成績
1068試合4008打数1165安打61本塁打377打点 打率.291

〇NPBでの年度別、対左右打率
2004年 対左打率.286 対右打率.237
2005年 対左打率.241 対右打率.281
2006年 対左打率.238 対右打率.295
2007年 対左打率.380 対右打率.271
2008年 対左打率.311 対右打率.295
2009年 対左打率.242 対右打率.267
2010年 対左打率.387 対右打率.329
2013年 対左打率.315 対右打率.280
2014年 対左打率.235 対右打率.238
2015年 対左打率.233 対右打率.277
2016年 対左打率.250 対右打率.308

 現・阪神の西岡は、2002年にドラフト1位で千葉ロッテに入団。2005年には両リーグ最年少記録タイとなる21歳で盗塁王に輝き、「幕張のスピードスター」の異名をとった。

 2010年は西村監督のもと、対左投手・右投手両方で打率3割台を記録し、首位打者、最多安打のタイトルを獲得。チームの日本一に大きく貢献した。同年、プロ野球新記録となるシーズン27回の猛打賞と、スイッチヒッターとしては史上初の200安打を達成。現在は阪神の中心選手として活躍している。

 以上、パ・リーグで突出した記録を残している5人のスイッチヒッターの成績を振り返ってみた。彼らに共通しているのは、ホームランバッターではなくコンスタントに安打を積み重ねるタイプだということと、高い走塁・守備技術を誇る、ということだ。

 今回挙げた全員が、盗塁王、ゴールデングラブ賞を獲得した経験があり、平野謙氏は犠打のテクニックも卓越していた。彼らスイッチヒッターは、守備でチームの危機を救い、必要なときにきっちりと犠打を決め、俊足を生かして内野安打をもぎ取るケースが多い。刻一刻と変わる試合の状況、数字に基づいた複雑な戦略に対して、臨機応変に対応することが彼らにはできるのである。

 左右両方の打席に立って、それに合わせた打撃をするということは、より多くの練習量や器用さが必要となる。それでも彼らはスイッチヒッターを選び、一振りで勝負をひっくり返すホームランバッターなどとは違う形で、チームの勝利に貢献してきた。現在、スイッチヒッターとして登録されている支配下選手はたったの20人ほどである。貴重な存在である彼らの働きが、緊迫した試合にどのような影響を与えるか、来季からも注目していきたい。

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