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俊足巧打の選手が多数 非常に貴重な「スイッチヒッター」という存在

大リーグのマーリンズに所属するイチロー選手、元巨人の松井秀喜氏の活躍以来、日本球界には左打者が増えたと言われている。今季のパ・リーグで、首位打者・最多安打の2冠に輝いた千葉ロッテの角中勝也選手や、度重なる怪我に悩まされながらも最高出塁率のタイトルを獲得した、福岡ソフトバンクの柳田悠岐選手も左打者である。

スイッチヒッターとして好成績収めた名手たち

 大リーグのマーリンズに所属するイチロー選手、元巨人の松井秀喜氏の活躍以来、日本球界には左打者が増えたと言われている。今季のパ・リーグで、首位打者・最多安打の2冠に輝いた千葉ロッテの角中勝也選手や、度重なる怪我に悩まされながらも最高出塁率のタイトルを獲得した、福岡ソフトバンクの柳田悠岐選手も左打者である。

 そもそも打席の左右は、利き腕や指導者の方針などによって決まることが多いが、スーパースターへの憧れだけではない利点を追い求めて、打席を選ぶケースもある。

 まず、左打席を選択するメリットとしては、右打席よりも一塁への距離が近く、内野安打を狙いやすいという点が挙げられる。イチローや、北海道日本ハムの西川遥輝選手などの俊足の選手は、その利点を最大限に生かしている。ただし、右利きの左打者の場合は、スイングの際に利き手とは逆の手でバットを押し込むため、打球の飛距離を伸ばすという意味では、右利きの右打者に比べて不利になることがある。事実、両リーグの通算本塁打ランキングを見てみると、上位20位までに名を連ねている右投左打の選手は、10位の金本知憲氏(現・阪神監督) 1人しかいない。

 また、一般的に右打者は右投手、左打者は左投手を苦手とする傾向がある。打席では、背中の後ろからボールが来るように思えて、軌道が見えにくいためだ。これが全ての選手に該当する傾向とは言えないが、左の強打者に対して、左投手をワンポイントで登板させる作戦は実際によく目にしていることだろう。

 そして、このような左右のメリット・デメリットを解消し、打撃の幅を広げる手段の一つとして、スイッチヒッターへの転向がある。スイッチヒッターは、左右どちらの打席にも立つことができるため、対戦投手や状況によって緻密なケースバッティングを可能にする。ここでは、特に偉大な成績を残したスイッチヒッターたちの成績を振り返ってみたい。

【松永浩美氏】
〇通算成績
1816試合6490打数1904安打203本塁打855打点、打率.293

〇年度別、対左右打率
1981年 対左打率.400 対右打率.312
1982年 対左打率.233 対右打率.238
1983年 対左打率.300 対右打率.277
1984年 対左打率.211 対右打率.330
1985年 対左打率.321 対右打率.320
1986年 対左打率.235 対右打率.322
1987年 対左打率.240 対右打率.308
1988年 対左打率.314 対右打率.329
1989年 対左打率.301 対右打率.311
1990年 対左打率.296 対右打率.280
1991年 対左打率.238 対右打率.335
1992年 対左打率.313 対右打率.294
1993年 対左打率.222 対右打率.316
1994年 対左打率.287 対右打率.326
1995年 対左打率.258 対右打率.229
1996年 対左打率.235 対右打率.214
1997年 対左打率.250 対右打率.100

 まずは阪急、オリックス、ダイエーなどを渡り歩いた松永浩美氏である。1試合左右両打席での本塁打を通算で6度放ち、日本ハムやオリックスなどに在籍したフェルナンド・セギノール氏に次ぐ歴代2位の記録を持つ。その際には、例外こそあるものの、相手投手が右投手なら左打席、左投手なら右打席に立ち、スイッチヒッターの強みを遺憾なく発揮している。

 左右投手別の打率を見てみても、左右両方で打率3割超えを記録した年が実に4度。左右どちらの投手も苦にしない、これぞスイッチヒッターの真骨頂であると言えるだろう。

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