「由伸2世」も…屈辱の“指名漏れ”から這い上がる2017年ドラフト候補たち
プロ志望届を巡るドラマ…六大学最多二塁打男、甲子園V主将、広島主力の弟も
日立製作所・菅野剛士外野手は明大時代、同級生の高山俊、坂本誠志郎(ともに現阪神)、上原健太(現日本ハム)と志望届を提出しながら唯一、指名を受けず。東京六大学リーグ新記録の28本の二塁打を放った“ミスターダブル”は、持ち前の打棒で社会人1年目の昨年からベストナインを受賞。谷田同様、同級生の後を追い、今秋の指名を目指す。
当時の東京六大学では、日大三高で甲子園優勝を果たした主将の法大・畔上翔外野手がホンダ鈴鹿、名門・大阪桐蔭高から早大に進学し主将を務めた河原右京内野手がトヨタ自動車に進み、今年からドラフト指名解禁となる。東都大学勢では亜大で日本一を経験したトヨタ自動車・北村祥治内野手は亜大4年の弟・拓己とともに兄弟同時指名の可能性があり、同じく亜大からトヨタ自動車に進んだ藤岡裕大外野手も注目の一角。中大で主将を務めた俊足外野手の日本生命・神里和毅も楽しみな存在だ。
ほかの大学リーグに目を移せば、広島・田中広輔を兄に持つ東海大出身の日立製作所・田中俊太内野手、帝京大時代にドラフト直前で左ひざ前十字じん帯損傷の大けがを負ったNTT東日本・西村天裕投手も雪辱に燃えている。
今年から指名解禁となる高卒3年目の社会人選手や大学4年生世代から、かつて指名漏れした中で指名有力な選手は現時点では少ないが、今後の成長に期待したいところだ。
振り返れば、横浜創学館高時代に指名漏れを味わった後、八戸大を経てプロ入りを果たした西武・秋山翔吾のように、後に大成したような選手もいる。果敢に挑戦しながら夢破れ、悔しさをバネに成長した彼らが今年、悲願を叶えることができるのか。ファンにとっては2017年のドラフト戦線を楽しむ、一つの要素となるだろう。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count