「パズルのようだった」元日本代表監督が語るプロ・アマ混合チームの創成期
阿部慎之助、石川雅規…今でも気にかけている当時のメンバー
初めてプロ・アマ混合チームで挑んだシドニー五輪。チームには「メダル獲得」という目標があったが達成ならず。大田垣さんは「最強メンバーで戦えるのが一番ですが、難しい時期でしたね」と、当時を振り返る。
「選手はチームの勝利のために一瞬たりとも手を抜くことなく一生懸命やってくれました。それを活かしきれなかったのは監督の責任です。勝敗の責任はもちろん、選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作り、チャンスを与える。それが監督の役目だと思います」
今でも当時の代表メンバーを気にかけているという。杉内をはじめ、中央大学在学中に出場した阿部慎之助(現巨人)、青山学院大学在学中に出場した石川雅規(現ヤクルト)など、シドニー五輪後にプロに進んで活躍している選手も多い。
「シドニー五輪の悔しさをきっかけに『頑張ろう』という気持ちを持っていてくれたら嬉しいですね」
そう話しながら大田垣さんは目を細めた。今後は日本野球連盟の副会長として社会人野球に、そして球界に関わっていく。当時の経験を、今後の日本代表のために活かしていくつもりだ。
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篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki