「思いは今も続いている」―西武・菊池雄星が抱くメジャーへの「夢」
「野球をやっている以上、全員が目指す権利はあると思う」
昨季こそ2桁勝利を挙げたが、これまでの7年は自分自身でも満足のいかない成績だった。「どうせ無理だって言う人が多いと思う」と言うと、こう続けた。
「たかだか2桁(勝利)を1年しただけで偉そうにって、当然言われると思うんですけど、言われることも想定した上で、球団にも伝えています。ただ野球をやっている以上、全員が(メジャーを)目指す権利はあると思うし、行けると確信を持った人しか夢を語っちゃいけないわけじゃないと思うんです。僕は野球が好きだから、いろんな野球をやってみたい。実際にメジャーの試合を球場で観戦して、あそこで投げてみたい、と思った。それだけなんです」
今年行きたい、来年行きたい、と、メジャーに挑戦したい具体的な時期が決まっているわけではない。その時期は「山ほどある」という課題を克服し、投手として一回りも二回りも成長した時にやってくる。まず、その1歩が「チームで信頼される投手になること」だ。
「メジャーが目標って言うと、ライオンズはどうでもいいのかって言う人もいると思うんですけど、僕、ライオンズが大好きなんですよ。8年もいれば、このメンバーで優勝したいっていう気持ちは年々高まっているし、ライオンズには愛着も感謝の気持ちもあります。ファンの方もずっと応援して下さっているので、みんなで何とか優勝したいですね。優勝しないと面白くない。他のチームの優勝胴上げばっかり見ているんで、今年は僕らがっていう思いは強い。そのためにも、まずは自分が安心感を与えられるようなピッチャーになりたいと思います」
優勝という思いを遂げるためにも、そして子供の頃からの夢を叶えるためにも、今季、菊池が見せるパフォーマンスは大きなカギを握ることになりそうだ。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count