辻新監督、菊池の飛躍、正遊撃手…チーム再建目指す西武17年注目ニュース
菊池はエースになり得るか、中村の本塁打王返り咲きは?
○菊池はFA移籍した岸に代わるエースになり得るか?
投手陣で最大のキープレーヤーは、昨季チーム最多の12勝を挙げた菊池雄星だ。絶対的大黒柱だった岸がFA移籍したため、現時点でチームはエース不在。その“エース”という選ばれし者のみが与えられる称号を受け継ぐのに、今、最も近い存在が、背番号16である。昨季は、プロ7年目で初の開幕投手を務め、快投。シーズン通しても、初の2桁勝利、規定投球回数到達と、キャリア最高の成績を残した。さらなる飛躍を誓う今季、“エース”と位置づけられれば、常にカード頭を任され、毎回相手チームのエースクラスとの対戦が待つ。その苦境下で、どれだけ勝利を挙げられるか。安定感、粘り強さ、勝負強さ、信頼感など、すべての部分でより一層のレベルアップを遂げられるかが、チームの成績を左右する鍵を握っている。
○牧田のポジションは?
その対応能力の高さゆえ、プロ1年目から先発を基本としつつも、中継ぎ、抑えと、チーム状況によってあらゆるポジションで起用され、結果を残し続けてきたが、6年目の昨季は初めて中継ぎのみでの起用となった。その中で7勝と好成績を残せたことで「中継ぎの方が貢献できるのかな、と考えるようになった」と話す。一方で、先発としての実績も十分なだけに、岸の移籍で空いた1枠に入り込みたい思いも「捨ててはいない」というのも本心。菊池、ウルフ、十亀、野上、多和田、高橋光の7枚に加え、新外国人キャンデラリオと頭数は揃っており、その候補者全員が揃ってシーズンを通して実力を発揮できれば問題はないが、果たして……。チームとしては、牧田を中継ぎに専念させられることが、投手陣の理想形だろう。
○今季こそ正遊撃手が固定できる?
2013年シーズンから毎年、遊撃のレギュラー固定を大きなテーマとしてきたが、現時点でも未だ答えは出ていない。だが、今季こそ、いよいよ固まりそうな気配だ。ルーキー時から5年間「最大候補」とされつつもレギュラーを獲りきれていない永江が、打撃さえ向上すれば即答となる立場にあることに変わりない。だが、そこに割って入りそうなのが、外崎と昨季ルーキーながら急成長を遂げた呉だ。永江が故障で秋季キャンプに参加できなかった一方で、外崎と呉は同キャンプで辻監督の直接指導を受け、さらなる成長を遂げた。また、2016年度社会人ベストナインに遊撃部門で選ばれた源田壮亮が新加入し、指揮官も即戦力として大きな期待を抱いている。現役時代「守備の名手」と称された辻監督から合格印をもらえるのはどの選手か。
○主砲・中村剛也のホームランキング奪還なるか?
2015年後半から状態の悪かった右膝が、昨季はさらに悪化。その影響で思うようなスイングができず、結果的に108試合21本塁打61打点と、規定打席にも届かず不完全燃焼に終わった。「なかったことにしたい」と本人の悔しさも相当で、リベンジの思いから、右膝への負担を軽減した打撃フォームへの改変を決意。昨秋から着々と新フォームを固めつつある。西武第二球場で行っている自主トレでは、すでにマシンに向かい、13日からはスパイクを履いての打撃練習と、本格的にギアを上げている。「ケガなく、シーズンフルで戦いたい」と目標を口にしたが、キャリアで規定打席に達した6シーズンは、いずれも本塁打王に輝いており、規定打席に到達すればタイトル奪還が大いに期待できる。昨季リーグ2位だったメヒアとのハイレベルな本塁打王争いが、ぜひとも見たい。