ロッテに息づく「フォア・ザ・チーム」 亡き名監督が遺したもの
18連敗…暗黒時代に掲げた「フォア・ザ・チーム」の真意とは
16年、飛躍的に観客動員数を増やしたマリーンズ。だが、山本さんが監督就任した99年は「暗黒」の時代だった。前年の98年には未だ記録に残る公式戦18連敗(※1)。当時の近藤昭仁監督が「もっと強いチームの監督がやりたかった……」と語ったほど。ただ、皮肉にも連敗時は負けるほど客が増えていった。
しかし、連敗ストップとともに元の千葉マリン(現・ZOZOマリン)スタジアムに戻った。週末は客が多少増えるが、平日ナイターは惨憺たる状況。ライトスタンドの一部を除いて、まさに閑古鳥が泣いていた。
そのチームを引き受けた山本さんが掲げたのが「フォア・ザ・チーム」。内容は今までの額面通りのものではなかった。
「選手だけではない。チーム、フロント、そしてファン。みんなが一緒になろう」
そして、選手に語りかけた。
「こんな勝てないチームでも応援してくれるファンがいる。できるだけファンに気持ちを還元しよう。自分の名前が呼ばれたら、必ず手を挙げるなり、対応しよう」
そこから今のマリーンズのスタイルが生まれ、現在まで受け継がれている。