73歳中日寮長が語る“いい選手の資質” 2年目の小笠原は「今季2桁勝つ」
ドラフト1位の明大・柳「あいつなら大丈夫だと思います」
選手それぞれ持っている資質が違う中で、「自分の大事なものは何か」がわかっていることが重要だと松岡さんは考える。
「『今日はこの練習、これを掴もう』と考えてやることが大事ですね。なんでも100%は無理ですから、それ以外は流すだけでもいいと思います。『何を掴んで、自分の何を売り出すか』それをわかることが必要だと思います」
東海大相模高から2015年にドラフト1位で入団し、1年目を終えた小笠原は、オフに左ひじの手術を行った。リハビリを続ける姿を間近で見ている松岡さんは、今季は必ず結果を残すと期待を寄せる。
「慎之介は毎朝お風呂で温めて、ウエイトトレーニングを欠かしません。リハビリをしながらのためスタートは遅くなるかもしれませんが、今シーズン、2桁は勝てると思いますよ」
明大からドラフト1位で入団した柳とは、大学時代の2年間を一緒に過ごした。期待のルーキーには「焦らず、まずプロの世界、生活に慣れること」とエールを送る。
「プロの生活に慣れ、1日でも早くみんなに溶けこむこと。それが1番大事ですね。明治でも一緒でしたが、あいつなら大丈夫だと思います。球速もありますから、あとは球の精度を上げることですね。まず1勝。それでいいと思います」
松岡さんは「みんな自分の孫みたいなもの。とにかくかわいい」と笑顔を見せる。プロでの経験も豊富な73歳の館長は、若い選手たちの精神的な支えになっているはずだ。
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篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki