主将、ブルペンの軸、米挑戦…「当たり年」ロッテ11年ドラフト4人の現在地
優勝、復活、異国での夢…今年28歳の4人が目指すものとは
クローザーとして13年にセーブ王にも輝いたドラ4・益田はリーグ屈指のリリーバーとして君臨。ドラ3・鈴木は2度のベストナインを受賞、14年からキャプテンを託され、球団の柱となった。鈴木は我慢強く起用してくれた伊東監督への恩義を感じ、「感謝しきれない。心から胴上げしたい気持ちを持っている」と12年ぶりの優勝、7年ぶりの日本一へ向け、チームを押し上げていくことを目指している。
対照的にドラ1・藤岡は先発では1年目から3年連続6勝どまり。ここ2年は中継ぎとして登板機会を増やしているが、先発への復帰を熱望。「(先発と中継ぎ)両方経験しているが、先発のほうが楽しいし、やりがいを感じる。正直やりたい」。デビュー当初の輝きを再び取り戻すため、まっさらなマウンドを目指している。
最も数奇な道を歩んでいるのが、ドラ2の中後だ。15年オフに戦力外となり、一時はBCリーグ武蔵への入団が決まった。だが、テレビ番組で中後の投球を見たメジャースカウトの目に留まり、ダイヤモンドバックスとマイナー契約。昨季3Aでは13試合に登板して10回2/3を7安打無失点13奪三振3四球、防御率0.00。
「本当に考えられないですよ。メジャーに行っていたら、本当にとんでもない大どんでん返しでした。だから行きたかったんですよ」と昨季を振り返っていたが、今季はメジャーキャンプに招待選手として参加することが先日、決まった。夢のメジャーデビューを目指し、大きな一歩を踏み出すことになった。
小さな自転車を購入したあの時、まだ22歳だった若者たちは今年28歳を迎える。入団当初、藤岡は同期の存在をこう語っていた。
「普段は仲良く、野球はライバルとして切磋琢磨しながら、これからも頑張っていきたい」
さらなる高みを目指す者、復活を期す者、異国の地で夢をつかもうとしている者。4人の立ち位置は変わった。それでも、プロのひのき舞台で輝きたいという気持ちは変わらない。良き友であり、良きライバルである互いの存在を、力にし続けながら。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count