事故死した父のために―中日ドラ1柳裕也が目指す「勝てるピッチャー」
小学6年で他界した父にプロ入り報告「天国で喜んでくれていると思う」
キャプテンとして同級生にも厳しいことが言えたのは、日頃の信頼関係があったからだ。寮の廊下で会った時に声をかけるなど、常にチーム全員とコミュニケーションを取っていた。チームメートを気遣う姿は、中日に入団した今でも変わらない。
「同期はいい雰囲気ですね。高校を卒業してすぐの2人(石垣雅海内野手、藤嶋健人投手)がいるので、その2人はかわいがっていきたいです。高卒ですぐにプロに入団して、不安もたくさんあると思います。自分も慣れない環境ですが、しっかり支えていきたいと思います」
1月7日に昇竜館に入寮した。寮生活は高校から8年目。不安は全くないと話す。中学を卒業してすぐ、横浜高の寮に入寮した時のことを懐かしそうに振り返った。
「今は不安や心配事はないですね。むしろ『よし』という感じで来ました。宮崎から横浜に出てきたときが、一番やばかったです。寂しかったですよ。でも寂しいと言うのは簡単だし、そんなこと言うと親も心配します。口には出さないようにしていました」
昨年末、プロ入りが決まって初めて、故郷の宮崎に帰省した。
「周りの人が本当に喜んでくれました。母も喜んでくれています。プロで活躍するところを見せたいですね」
小学6年の時に事故死した父の墓前にも、プロ入りを報告した。
「上手い下手は別にして、キャッチボールをよくしてくれました。宮崎なので、巨人やソフトバンクのキャンプも見に行っていました。野球が好きだったので、天国で喜んでくれていると思います」