2年連続2桁勝利も残る課題…武田翔太がホークスの「エース」と呼ばれるには
もう1つの課題…、和田も期待する右腕の能力
そして、右腕には、もう1つの課題がある。好投していながら、突如として乱れることがある点だ。例えば、8月16日の西武戦(ヤフオクD)。3回まで5三振を奪い、チームも3点を先制する理想的なゲーム展開だった。暗転したのは4回。先頭の秋山翔吾に四球を与えると、そこから3連続長短打を浴び、さらに四球、四球、押し出し死球を与え、一挙4点を失った。
この時のように、突如として姿を変え、制球を乱すことがある。繊細なメンタルが影響していることもあるだろうが、そうなっていては全幅の信頼感を得ることは難しい。
36歳のベテラン、和田毅は勝負の夏場の日本ハム戦で4戦3勝するなど、ここぞの場面で勝負強いことを印象付けた(シーズン終盤は左肘痛で離脱してしまったが)。実績から来る部分もあるが、現時点での信頼度ではやはり武田よりも和田に軍配が上がる。
その和田は常々、武田がエースにならなければいけないと口にしている。その秘めたる能力はチームの大先輩も認めるところ。ソフトバンクにとって、V奪還が至上命令となる2017年のシーズン。武田がエースと呼ばれる活躍を見せてくれることを期待したい。
【了】
フルカウント編集部●文 text by Full-Count