「GO!GO!GO!」は“魔法の言葉” 主将・清宮発案、早実スローガンの効果とは
球速5キロ、飛距離5メートル、体重5キロアップ!
そんな中、清宮は「自分の経験をどんどん伝えていこうと思いました」と、キャプテンとしてチーム全員に目を配った。試合経験の少ない1年生投手に声を掛け、1試合1試合戦い抜きながら、個々の力を上げた。1年生右腕の中川広渡投手が成長し、秋季大会では大車輪の活躍。池田徹、赤嶺大哉投手らも戦力となり、服部の不調をカバー。投手陣が支え合い、試合を作った。主将の声掛けで戦力としてまとまった投手陣に象徴されるように、チーム全体に心配りする清宮のキャプテンシーが頂点への原動力になったと言ってもいい。
大きかったのは、新チーム結成時に清宮が発案したスローガン「GO!GO!GO!」の存在だった。
「GO=5」で「投手陣は球速5キロ、打者は飛距離5メートル、全員が体重5キロアップしようという目標があります」と意図を説明。目標をどうすれば達成できるか、選手たちは考えるようになった。迷った選手は、清宮にヒントを聞きに行く。こうしてチーム内の対話、結束が生まれた。
簡単に達成できる目標ではない。球速、飛距離のアップは、体幹トレーニングの強化で実現を目指した。体重5キロアップも、必死に食事を口に運んだ。トレーニングが数字に結びつかない選手、なかなか体重が増えない選手に対して、清宮は優しく声を掛けて励ました。