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北大医学部の気象予報士…異色の140キロ左腕はなぜ独立リーグに進むのか

「なんとなく手に取った本」で興味芽生えた気象予報士に合格

 病院患者のリハビリについて学んでいた医学部保健学科には4年生の4月から計4か月にわたり、病院実習がある。当然、最終学年のシーズンの大半を棒に振ることになる。そこで、3年後期から1年間休学して実習を遅らせ、まず野球部生活を全うすることを決断。ちょうど、進路について考える、いい時期だと考えていた。新たな道に挑んだのも、この頃だった。

「保健学科で勉強すれば、作業療法士の資格が取れる。このまま4年間、勉強して病院に進むのか。それとも大学院に進むのか。そういう時に本屋で気象予報士の本をなんとなく手に取ってみたら、おもしろそうだなと……」

 医療の世界には生気象学という分野がある。「患者さんがリハビリする時に低気圧が近づくと、膝が痛くなったり、朝にリウマチが出たりする。それに対して気象学から考えるというもの」と本人が解説するように、将来に広がりが出ると感じた。合格率4%の超難関。練習の傍ら、空き時間を見つけては机に向かった。

 野球面も順調だった。最上級生となった春、リーグ戦6連覇中で、プロ野球OBもいる盟主・道都大に延長10回1失点完投勝利した。

「うちの大学として20連敗くらいしていて、自分が入学してからも1回も勝ったことがなかった。道都大に勝つことを一つの目標にしてきたし、すごく自信になった」

 こうして、ラストシーズンも完全燃焼。以降は気象予報士へ向け、多い日に1日12時間の猛勉強に励み、復学した後の16年1月に2度目の試験で合格してみせた。

 この合格で、進路は大学院進学に心が傾いた。ちょうど、北大には生気象学に詳しい教授がいた。「復学したら、大学院に進もう」。そう考えて、自らアポイントを取って、教授への挨拶に出向いていた。だが、再び運命のいたずらか、大きな試練が訪れた。その教授が16年7月に定年により退職。「道が断たれてしまった」。目の前が真っ暗になりかけた、そんな時だった。独立リーグ受験の話が持ち上がったのは――。

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