北大医学部の気象予報士…異色の140キロ左腕はなぜ独立リーグに進むのか
トライアウト受験で迫られた決断…大学院進学か、四国ILか
野球部での4年間を全うした後、あの道都大戦完投勝利がクラブチーム関係者の目に留まって2~3チームから誘いがあり、ウイン北広島でプレーしていた。11月にちょうどチームの先輩に独立リーグのを受験する先輩がいた。
「興味本位で上のレベルが見てみたいという感じで、それならと受けることにしたんです」
これが、運命を変える決断となった。
「クラブチームに入ってからトライアウトを受けるまでの間に不思議と、すごく伸びでいたんです」
野球部時代、134キロだった球速はトライアウトで一気に6キロ更新し、140キロを叩き出した。BCリーグにも合格したが、高く評価してくれた四国IL入りを決断。万が一に備えて受験した大学院にも合格していた11月、同リーグのドラフト会議で香川からドラフト2位で指名を受けた。大学院か、四国ILか――。迷いは、なかった。
「トライアウトで自分でも想像しないようなボールが投げられた。チームの方に『お前ならNPBに行ける』とも言われて明確になり、本気で野球をやってみたいと思った」
小学生時代、白球を追う周囲の少年と同じように抱いていたプロ野球選手への夢。小6にリトルリーグの全国大会に出場した時、茂木栄五郎(現楽天)、横尾俊建(現日本ハム)擁する武蔵府中リトルに1-43の大会新記録で大敗した。「世の中には上には上のレベルがたくさんいる」と思い知らされ、オトナになるにつれ、冷めていた情熱。それが再び、ふつふつと湧き上がってきた。
1月25日。三木田は、北海道から四国へと渡った。